Story of Stola.
あの1着ができるまで
-RACCOON Series-
冬の訪れを楽しみにさせてくれるふんわりニット。
中でもStola.のラクーンニットシリーズは
その品質の良さと美しいカラーで
ファンを増やし続けている名品アイテムです。
ラクーンニットのコレクターに理由を尋ねると
見た目に限らない、様々な答えが返ってきます。
「柔らかくてチクチクしないのが嬉しい」
「毛が抜けず、毛玉にならず、長く着られるから」
「ふわふわなのに着太りしない。どうして?」
目に見えないこだわりが沢山詰まったラクーンニット
1本の糸からニットが編み上がるまでを辿ります。
1.Material
原材料選び
手編みのマフラーやセーターを思い浮かべてみて下さい。色や太さが様々な毛糸から選び、デザインや編み方を決め、各パーツを形作っていく楽しい過程——
Stola.のニット作りは毛糸を作るところから始まります。
ラクーンはその風合いの良さと昨今の爆発的な人気で、カシミヤよりも原材料費が高騰しつつある高級素材。他素材との混紡も検討した上で、Stola.では肌触りの優しさを優先し、ラクーン100%の糸をチョイス。プライスを抑えられるよう1年前から計画的な生産を始めました。
2. Le Cadeau
イメージソース
素材が決まったら、次はデザインと色の選定です。
Stola.のラクーンシリーズは毎年目を引く華やかなオリジナルカラーが特徴。冬のテーマ『Le Cadeau』(直訳で『ギフト』という意味)からアイデアを膨らませます。
ラクーンニットを着て行って欲しいシーン…家族や友人と久しぶりに会う時に渡すギフトとしてデザイナーが思い浮かべたものは、ヨーロッパで古くから親しまれる砂糖菓子・ドラジェでした。アーモンドチョコレートを彩る糖衣のような甘く優しい色合いをイメージして糸の試し染めをスタートしました。
3.Color&Finish
加工と色の関係
カラフルな編地サンプルを吟味し、今年の4色が決定!Stola.のラクーンシリーズ史上最も明るいオフ、ドラジェを思わせるサックスとオーキッドピンク、そして原毛の色合いを活かしたナチュラルブラウンの4色展開に。
4.Detail
リンキングと“くり”
シルエットと着心地を大きく左右するのが、一見すると分からない細かなこだわりです。裏返すと見えるパーツ同士の繋ぎ合わせ部分には、“リンキング”と呼ばれる高度なテクニックを採用しています。
ぐるりと針が隙間なくあしらわれたマシンに、小さな編み目1つ1つを同じ間隔で刺していく、気の遠くなるような手作業。ミシン縫製するよりも肌あたりが柔らかく、ノーストレスな着心地に仕上がります。
脇はもたつかず、すとんと落ちる袖のラインで大人っぽく。肩線を少し内側に調整し、“くり”をつけることで袖山に立体感が。肩周りを華奢に見せてくれます
ふんわりと起毛したニットこそ、着膨れは避けたいもの。さりげないけれど大きなこだわりです。
風合い、着心地、体を美しく見せるライン。細部までこだわったラクーンシリーズがいよいよ完成です!
ゆるりと立ち上がるスタンドネックのデザイン。現地工場とやり取りを重ねて度目(どもく)を細かく調整し、絶妙なニュアンスを表現しています。
袖口は“リンキング”でギャザーを寄せ、丸みのある切り替えラインに。リブ上から袖がぽわんと広がることで、手首をすっきりと見せてくれる効果が期待できます。
糸の風合いを活かすシンプルな天竺編みに、デコルテがきれいに見えるVネック。衿ぐりは華奢に見えるよう編み続きの始末に。抜け感の出る背中の開き具合や美しいフレアを描く裾のボリュームまで、着るだけで体がきれいに見えるよう計算されたデザインです。
6.Styling
スタイリング
冬の定番としてお持ちの方も多いラクーンニット。今年ならではのスタイリング術を聞いてみました。
「合わせるボトムは光沢のあるサテン素材や、すっきりとした表面感のファブリックが今年らしくておすすめ。ラクーンのふんわり感が引き立ちます。
ハイネックはパンツと合わせてもヒップまわりが気にならないショート丈で、ボトムを選びません。Vネックチュニックはパンツスタイルはもちろん、マーメイドスカートや細身ボトムとも好相性。ボウタイブラウス等、レイヤードも楽しんでいただけたら。」
高品質な素材を活かしてシンプルに、長く着られるデザインを意識して作られたラクーンニットシリーズ。3年後も、5年後も、大切に着続けたい1着です。