あの1着ができるまで
-Dr. DENIM collaboration jeans-

Stola.の中で特にオリジナリティの高いアイテムを
ご紹介する連載、Story of Stola.。
第3回目となる今回はスペシャルバージョン!
発売前から話題が沸騰している
“ドクターデニム”監修のジーンズ2型について
ご本人にこだわりを聞いてきました。

Who is “Dr. DENIM”?

Profile
有限会社ドクターデニム ホンザワ代表取締役。国内外の大手ジーンズメーカーに勤務後、独立。様々な企業やブランドのデニム監修を手掛ける。

ABOUT Beginning

―Stola.とは初めてのコラボレーション企画になります。どんなことを意識されましたか?
今回コラボで1番こだわったのは美脚に見えること。
そしてコーデの主役ではなく、名脇役になるような定番デニムを作ること。実際にStola.のショップにお邪魔してイメージを膨らませました。
フェミニンなStola.の洋服と合わせた時に浮かず、どこかスパイスになるようなディテール。きれいめに穿けて、定番として愛してもらえる1着を意識して作りました。

―秋の新作コレクションに合わせて撮影をした際にはマッチ度が高く、デニムの出番が1番多かったです。
嬉しいですね。トレンドがクラシック回帰ということもあり、洋服もきれいなものが増えていますよね。
そこに今回のデニムを取り入れることで甘くなりすぎず、程よい抜け感が生まれるかと思います。

ABOUT Fabric

about Fabric
Fabric

デニム生地

―では、まずデニム生地について教えて下さい。
生地選びは色から入りました。デニム業界では現在、ブルージーンズよりもブラックが主流になってきています。Stola.の定番になりそうなデニムをと、お話をいただいて、まずブラック色を提案しようと思いました。

―今回の2型は別の生地を使っているとか。
スキニーは世界最大のデニム生地メーカー、トルコはISKO社の最新ストレッチ素材を提案しました。
ブラック色だけでも10数種類と、豊富なカラーバリエーションが魅力。青っぽいブラックと加工感の少ないインディゴを提案しました。

―フレアデニムは?
カイハラ社の素材です。こちらはジャパンメイドで、アメリカのジーンズブランドでもよく親しまれています。 縦ムラによる表情豊かな生地が素敵で。生地の厚みとキックバックが丁度よく、かっこいいフレアシルエットを作ってくれるんです。
どちらも大人の女性が穿くに相応しい上質なファブリックです。自信を持って提案しました。

ABOUT Detail

Detail

糸、付属品へのこだわり

―ステッチ糸は同色で、さりげない印象です。
きれいめなデニムを目指す上で、最初から同色ステッチが構想にありました。UJコアーという、良い生地に釣り合う最高峰の糸を使っています。この糸はデニム同様に色が落ち、馴染むのが特徴。味が出てくるんです。

―釦やネームも通常のStola.デニムと異なるような..?
はい、そうです。実は1番目立つフロント釦はStola.さんで以前使っていた大きいサイズのもの。今回特別にアーカイブを復刻してもらって。
ロゴネームも革パッチも大きめのものを選び、パッと目に入るように。

―何か理由があるんですか?
ステッチが馴染む分、特にブラックは遠目で見ると普通のスラックスパンツに見えます。それだとデニムを穿く意味がなくなっちゃう。 ジーンズをジーンズたらしめるのはディテールです。ステッチが主張しない分、付属品にジーンズらしい主張が必要でした。

―本澤さんのサインが入ったコラボネームも素敵です。
織っているように見えるけれどプリントなんですよ。こんなことが出来るのは日本の工場だけ。コロナ禍がキッカケで日本の技術力の高さを再認識しました。
ネームも、リベットも、糸も釦も、付属品は全てMade in Japanです。

ABOUT Finish

about Finish
Finish

加工

―今回の2型はどちらもウォッシュ(ユーズド加工)をかけていないんですね。
業界トレンドとして、色落ち加工をしたものよりも、あえて加工しないきれいめなものが注目されています。
それに今回のデニムは“定番”になって欲しかった。定番なら色んなスタイリングを楽しめる方が良いですよね。色落ちしているジーンズはどうしてもコーデの主役になってしまう、だから加工はしませんでした。

―裾の始末にもトレンドが反映されている?
はい、裾は三巻ではなくフリンジが一般的になってきています。スキニーの方はまっすぐにカットしてコンパクトに仕上げ、Stola.の服にマッチするきれいめ感を残しました。
秋には是非パンプスやブーティに合わせて穿いて欲しいですね。フリンジが程よい主張になり、グッと今っぽい印象になります。

about

―フレアデニムはカッティングが特徴的ですね。ふくらはぎ内側が長く、外側に向かって短くなっている...?
その通り。加えて、生地の外側は前後で差をつけアクセントになるようにしています。この段差が視覚効果で足をキレイに見せてくれるんですよ。まだフレアを持っていない方にこそトライしてみて欲しいですね。

ABOUT Fit

about Fit
Fit

パターン

―自社にパタンナーチームを抱えるStola.が、今回は本澤さんとタッグを組むK氏にパターンを依頼。Stola.の穿き心地をベースに提案してもらった新しい美脚シルエットには、スタッフから賞賛の声があがりました。
秘密は素材の特性を活かした立体的なパターン。厚みやストレッチ性を考慮し、どちらもミリ単位で細かく調整しました。
日本人女性はO脚で悩んでいる人が多いと聞きます。穿いたら足が補正されたみたいに真っすぐ、そして長く見えるシルエットを心掛けました。

-本澤さんが普段デニム作りで1番こだわっているのはパターンだとか。
いつも念頭にあるのは“穿いたときにキレイかどうか”。 ジーンズってシンプルなんです。だからこそ誤魔化しがきかないし、素材とパターンが命。加工やディテールにも勿論こだわりますよ。
でもやっぱり、ラインが美しく見えないと穿き続けてもらえませんから。

Finish!

定番デニムに欠かせない美脚シルエットと極上の穿き心地を実現した究極のスキニーデニム。
色んな体型・骨格の人にフィットするサイズ感とパターンで、足がまっすぐキレイに見えるのがポイントです。股上は深めながら、ストレッチ性に富んでいるため窮屈さは皆無。
シンプルなデザインでどんなトップスも輝かせます。
ダークインディゴとブラックの2色展開。

この秋のクラシックトレンドに欠かせない本命フレアデニム。
Stola.史上最もフレア感のあるシルエットで、高めに設定した膝位置やフレアの広がり方、ハイライズなお腹周りと裾のカッティングに至るまで、足を長く、スタイルを良く見せる工夫が随所に。
甘めのトップスに合わせるスタイリングがおすすめ。
透けにくいアイボリーとブラックの2色展開。

From Doctor DENIM

「Stola.さんの今までのデニムにあった甘さをそぎ落とし、あえてカチっと作りました。トレンドアイテムとしてのデニムではなく、定番としてのデニム。主役にならないデニム。脇役にしては値段が安くないので(笑)長く着てもらえるようディテールにもこだわりました。 ぜひ一度足を通してみて頂きたい自信作です。」

How to WASH

「裏返してから洗剤を入れずに水洗いし、陰干しして頂くと、なるべく色落ちせず穿いていただけます。汚れた場合はジーンズ専用の洗剤がおすすめ。洗いを重ねると生地が柔らかくなり、風合いが出てきますよ。変化していく表情まで楽しんで頂けたら嬉しいです」

Special Thanks!
Yuji Honzawa, Ryosuke Mitsushiro
Yuichi Suzuki, Chihiro Kakuta (M&R inc.)
Photo: Yusuke Onitsuka (still)
Text: Yurika Ida